CDレビュー第一弾 vaundy strobo レビュー
こんにちは。やたら指を怪我するので絆創膏が足りなくなってますが、なんとか生命は維持しています。
今回は彗星の如く現れた弾き語りミュージシャンVaundyの1stアルバムstroboをレビューしていこうと思います。
まずはジャケット
シンプルながらも色彩の温かみが前面に出ていてなんだか不思議な印象ですね。
右下のspace showerのロゴでサチモスと同じ事務所という事がわかります。
続いてCD
すごくシンプル。例えるならご飯と豆腐だけの朝食みたいな。簡素だけど無駄がないです。センスが光っています✨取り出す面が裏になってるので傷つけないよう要注意です💀
歌詞カードを試しにペラペラめくると何やら謎のページが、、、
不可幸力とsoramimiの間のページ。
ストロボってタイトルなんで携帯のフラッシュを当ててみても何も起こらず、、、透かしてみても何をやってみても変化なし。仕掛けを知ってる人がいたらコッソリ教えてください🙇♂️
では早速内容を解説していきましょう。
track1.Audio 001
カセットテープで録音されたと思われるSE。曲を書いてるペンの音や街の雑踏、オーブントースターのベルの音ローファイな雰囲気
track2.灯火
本来ならとうかと読みますが、この曲の場合はともしびと読みます。アコースティックギターの音色が前面に出ていて優しい雰囲気。最初はアコギの音だけですが、途中転調を挟んでサンプリングされたドラムの音やいろんな音が混じってとても楽しげな曲です。
track3.東京フラッシュ
本アルバムの中核となる曲。それだけあってアルバムの中でも出色の出来。曲調とかかなりサチモスっぽいけど二番煎じにならない為にかなりアレンジに気を使ってます。サビ前に4回ウィスパーボイスで曲がトーンダウンするんですが、これが結構チルい(ヒップホップ用語で落ち着く)感じでかっこいいんですよね。サビで一気にグルーヴィーになるんですが、コーラスが気怠い雰囲気を引きずっててリラックスして聴ける曲なんですよね。これだけでもみんなに聞いて欲しい。そんな曲です。
track4.怪獣の花唄
弾き語りミュージシャンとしてのルーツを感じる曲。しかしなぜ怪獣なんだろう?
track5.lifehack
イヤホンをしてるとイントロでシンセサイザーの音が交互に聴こえてきます。ギターフレーズは単純ですが優しい感じの歌です。
track6.不可幸力
ここでアルバムは少しダークな方向に向かいます。歌詞から物凄い怒りを感じますが、最後は愛に帰結するという皮肉な歌です。毒に満ちた歌い方がGOOD💀
track7.soramimi
何故か人気が高い曲ですが、最初聞いた時に「あれ?このEDM +ロックな雰囲気セカオワじゃね」って調べたら似た曲が出てきましたorz
https://m.youtube.com/watch?v=LAYOfGLeEZY
https://m.youtube.com/watch?v=Jh_0EW6G3gQ
上がセカオワ下がVaundy
うーん、、、たしかにやり過ぎかもしれない。もう少しサウンドに捻りを加えたら良かったかもしれませんが、無理にリズムに乗ってる感じもしてあまり好きでは無い曲。このアルバムに捨て曲があるとしたらこれかなぁ。やっぱりVaundyはギターを弾いてた方がかっこいい。
track8.Audio002
ここでダークな雰囲気を一掃するかのようにSEが挟まる。電車の音とピアノの音が鳴っていて何だか物憂げ。
track9.napoli
なんだかゴスペルっぽくて、Vaundyの声の良さが際立つ曲。曲の最後は録音中の会話と笑い声でブレイクするのでこのアルバムがローファイを意識したものという事がわかる。
track10.僕は今日も
Vaundyのミュージシャンとしてのルーツや意気込みの詰まった一曲。「愉快な日々だと暗示をして、不協和音が聞こえてきた。抑えてるだけじゃそう辛くて、だからこの気持ちを弾き語るよ。」
弾き語りミュージシャンとしてのルーツを大事にしながらも苦悩するVaundyの姿が垣間見える一節。この歌詞がこのアルバムのコンセプトをより明確な物にしています。
track11.bye by me
アルバム最後を飾るナンバー。この曲とんでもなく切ない。なんといっても歌詞が逆トイストーリーなんです。おもちゃにお帰り、でももういいよ。と言われてしまうのです。とってもアイロニカルなんですが、ギターフレーズは優しいし、打楽器はコンガで、間奏で鳴り響くトライアングルも可愛いです。最後はドラムの大胆なブレイクで締める潔さも素晴らしい曲。アコースティックな印象を決定付けています。
総合評価★★★★☆
一通り聞いてみた感想は1stでこれは末恐ろしいということ。
たしかにオリジナリティーにかけるところはありますが、彼はまだ19歳。これから確立していけばいいことです。
何より彼の才能は既にあるものをアレンジする才能です。東京フラッシュなんかはシティポップ界隈ではよくあるコード進行ですが、ギターロック的なアプローチでそれをやるというのは意外と無かったんじゃなかったでしょうか?
それとこのアルバムにはpainという曲が収録曲の候補に上がっていたんですが、恐らくかなり重い内容の曲なので収録を見送ったのでしょう。正しい判断です。このアルバムはジャケットのピンクの色彩のように優しくあるべきなのです。そういった点から見てこのアルバムは非常に優しく、生身の体温があります。本当に恐ろしい才能です。
Vaundy、その最新式のストロボでどんな未来を写してくれるのでしょうか?その才能を羨まずにはいられません。次のアルバムも楽しみにしています。
では皆さんもstrobo 一家に一枚いかがですか?